日経エレクトロニクス 2007 1-15

日経エレクトロニクスの1-15号の記事の中に、中島聡氏によるデジタル家電の未来の話がのっていました。
Microsoftでソフトウェア開発に携わり、現在はスクウェア・エニックスのコーポレートエグゼクティブ(中島氏がCEOを勤めていたUIEvolution社をスクエニが買収したときに、中島氏の名前を聞いていたのを思い出した)


冒頭で、中島氏は、
「もし、デジタルカメラで撮った写真に、その場で文字を書き込めれるようにしようとしたら、どのように実現したら良いだろうか?」
と、言っていた。

大多数の人(僕も、同じように思ったが)は、



デジタルカメラに入力できるインターフェースを搭載すれば良い、と考えつくでしょう。
だけど、それだとスマートではないし、コストも増加してしまう。
そのようなことをしなくても、身の回りにある入力デバイスを用いれば、どうだろうか?
たとえば、携帯電話やニンテンドーDSのようなもの。
これを、デジタルカメラと接続すれば、ソフトウェアだけの改良で済むでしょう。


だけど、中島氏は、それでも納得いかず、次のような提案を行ってました。
「既存の家庭内ネットワークは、ある処理はを行うためには、このような順序でメッセージを送信する」というプロトコルを積み上げていく。
でも、それでは、機器ごとに機能や入力デバイスが異なるため、積み上げるのに時間がかかってしまう。
そして、できあがったときには、すでに時代遅れになっていることがある。
そのように行うのではなく、機器ごとに−たとえば先にあげたデジカメに−ソフトウェアで実行できるUI画面をもたせて、入力を行うデバイスに、そのUI画面を渡して操作を行うようにすればどうだろうか、と。
UI画面を渡して、遠隔操作をするだけなので、機器ごとのプロトコルを作る必要がない。
機器には、どのUIインターフェス(たとえば、ボタン)が押されたか、という情報を送るだけなので、システムとしても簡単にできる、と。


発想がおもしろいなぁ、と思いました。
入力側がすべてを操るのではなく、入力を受け取る側が逆にUIインターフェースを渡すという発想は、さすがとしか言えない。